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2.142025
新たに創設される就労選択支援とは?

令和7年の10月より新たに就労選択支援が創設されます。
新たなサービスとなりますので概要について紹介します。
※社会保障審議会障害者部会(R7/1/30)における情報になります
就労選択支援の創設
障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、
本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援する就労選択支援を創設する。(令和7年10月1日施行)
就労系サービスを利用する前段として利用者の適正、知識、能力などにあった就労先を選択できるように支援するものです。
特別支援学校等の生徒が卒業後の進路を考えるうえで、活用も想定されています。(3年生以外も活用可)
※厚生労働省 資料より
対象者
今後は就労系サービス(就労A、B)を利用しようとする方は先に「就労移行支援」を利用することになります。
令和6年度報酬改定の概要において、以下に該当する者は、原則として就労選択支援を利用することとしている。
・ 令和7年10月以降、新たに就労継続支援B型を利用する意向のある者
・ 令和9年4月以降、新たに就労継続支援A型を利用する意向がある者及び就労移行支援における標準利用期間を超えて利用する意向のある者
基本報酬について
・就労選択支援サービス費 1,210単位/日
・特定事業所集中減算 200単位/日
指定基準において以下の①~④を総称して「事業内容」としており、
どれか未実施の場合は全体として報酬算定の対象となりません。
①短期間の生産活動等を通じて、就労に関する適性等の評価や意向等整理(アセスメント)
②アセスメント結果の作成に当たって、利用者及び関係機関等を招集して多機関連携によるケース会議を開催
③アセスメント結果を作成し、利用者等へ情報提供
④利用者への適切な支援に向け、必要に応じて事業所など関係機関との連絡調整
サービスの流れ
①~④を標準1ヶ月の流れで実施となります。
①作業場面等を活用した状況把握(アセスメント)
・面談(本人・家族・関係者)
・基礎情報の把握(障害種別や程度、就労に係る希望など)
・作業観察(模擬作業、入力系作業、現場系作業など)
②多機関連携によるケース会議
アセスメント結果(案)をもとに利用者、関係機関の担当者と会議
※関係機関担当者の一例
相談支援専門員、ケースワーカー、保健師、教育機関、就労支援関係者 ほか
③アセスメントシートの作成
ケース会議の議論をふまえ作成、本人へフィードバック
④事業者等との連絡調整
アセスメントシートをもとに事業所等へ連絡
実施主体
指定基準からも基本は他の障害福祉サービスを提供している事業所が追加で行うサービスとして想定しているようです。
「就労移行支援又は就労継続支援に係る指定障害福祉サービス事業者であって、
過去3年以内に当該事業者の事業所の3人以上の利用者が新たに通常の事業所に雇用されたもの
その他のこれらと同等の障害者に対する就労支援の経験及び実績を有すると都道府県知事が認める事業者」
人員要件
就労選択支援員 15:1以上
就労系における勤務実績5年(通算)が必要となりますので要件は厳しいです。
就労選択支援員は就労選択支援員養成研修の修了を要件とする。
※ 経過措置として、令和9年度末までは、基礎的研修又は基礎的研修と同等以上の研修の修了者を就労選択支援員とみなす。
・ 就労選択支援員養成研修の受講要件としては、基礎的研修を修了していることや障害者の就労支援分野の勤務実績(注)が通算5年以上あることを要件とする。
※ 基礎的研修の実施状況を踏まえ、令和9年度末までは、基礎的研修と同等以上の研修の修了者でも受講可能とする。
・ 就労選択支援は短時間のサービスであることから、個別支援計画の作成は不要とし、サービス管理責任者の配置は求めないこととする。(注)「障害者の就労支援分野の勤務実績」は、直接処遇職員として、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所、就労定着支援事業所、障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センターにおいて支援を行った実績とする。(令和9年度末までに基礎的研修又は基礎的研修と同等以上の研修を修了していることを以て就労選択支援員として勤務した実績を含む。)
今後のスケジュールなど
政令、告示
・令和6年度中に公布予定
実施マニュアル作成
・マニュアル完成 令和7年3月末
・マニュアル公表 令和7年4月以降
就労選択支援員養成研修
・検討委員(計4回)令和7年3月まで
・試行研修 令和7年1月~2月
・シラバス等完成 令和7年3月末
・シラバス等公表 令和7年4月以降
まとめ
令和7年10月より「就労選択支援」が新設されます。
利用者の適正にあった就労先(サービス)を選択できるよう支援する。
実施主体(指定基準)、人員要件(就労選択支援員)の要件は厳しい。
令和7年4月以降に実施マニュアルや研修シラバス等が公表される。
参考文献、出典