投稿記事
4.162025
障害児通所支援・入所施設とは?事業者が知っておきたい基礎知識

障がい福祉事業は、サービス種類が非常に多く分かりづらいと言えます。
本記事では、障害児支援と主な分類についての概要を解説します。
障がい者と障がい児のサービス
大別すると「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」に基づくサービスと
「児童福祉法」に基づくサービスの2種類に分けることができます。
これらは以下のように捉えていただくとイメージしやすくなります。
・「障害者総合支援法」は障がい者(18歳以上)のサービス
・「児童福祉法」は障がい児(18歳未満、児童)のサービス
※厳密には例外もあります
障害児支援とは
発達や身体・知的・精神的な障がいのある子どもたちが、その子らしく成長し、生活していくために行う全般的な支援となります。
国は、障がいのある子どもやその家族に対し、乳幼児期から学校卒業後まで、切れ目のない一貫した支援を提供する体制づくりに取組んでいます。
支援は、障害の“疑い”のある段階から始まります。
保健・医療・福祉・教育・就労支援など、子どもを取り巻くさまざまな関係機関が連携し、地域の中で支え合う「地域支援体制」の構築が進められています。
障害福祉サービス等の体系(障害児支援、相談支援に係る給付)
区分 | サービス分類 | サービス名 | サービス内容 |
障害児通所系 | 障害児支援に係る給付 | 児童発達支援 | 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を行う |
医療型児童発達支援 | 日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、 集団生活への適応訓練などの支援及び治療を行う | ||
放課後等デイサービス | 授業の終了後又は休校日に、児童発達支援センター等の施設に通わせ、生活能力向上のための必要な訓練、社会との 交流促進などの支援を行う |
||
障害児訪問系 | 居宅訪問型児童発達支援 | 重度の障害等により外出が著しく困難な障害児の居宅を訪問して発達支援を行う | |
保育所等訪問支援 | 保育所、乳児院・児童養護施設等を訪問し、障害児に対して、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門 的な支援などを行う |
||
障害児入所系 | 福祉型障害児入所施設 | 施設に入所している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与を行う | |
医療型障害児入所施設 | 施設に入所又は指定医療機関に入院している障害児に対して、保護、日常生活の指導及び知識技能の付与並びに治 療を行う |
||
相談支援系 | 相談支援に係る給付 | 計画相談支援 | 【サービス利用支援】 ・ サービス申請に係る支給決定前にサービス等利用計画案を作成 ・ 支給決定後、事業者等と連絡調整等を行い、サービス等利用計画を作成 【継続利用支援】 ・ サービス等の利用状況等の検証(モニタリング) ・ 事業所等と連絡調整、必要に応じて新たな支給決定等に係る申請の勧奨 |
障害児相談支援 | 【障害児利用援助】 ・ 障害児通所支援の申請に係る給付決定の前に利用計画案を作成 ・ 給付決定後、事業者等と連絡調整等を行うとともに利用計画を作成 【継続障害児支援利用援助】 |
||
地域移行支援 | 住居の確保等、地域での生活に移行するための活動に関する相談、各障害福祉サービス事業所への同行支援等を行う | ||
地域定着支援 | 常時、連絡体制を確保し障害の特性に起因して生じた緊急事態等における相談、障害福祉サービス事業所等と連絡調 整など、緊急時の各種支援を行う |
障害児支援サービスの分類と特徴(通所系・訪問系・入所系)
障害児支援は「通所系」「訪問系」「入所系」の3つに大別されています。
3つの概要を表形式にまとめました。
区分 | 利用形態 | 概要 |
障害児通所系 | 施設へ通う | 施設に通って支援を受けるスタイル。 未就学児〜高校生(18歳)までを対象に、日常生活動作・コミュニケーション・社会性の獲得などの支援、児童の居場所づくりを行う。 支援内容や活動の幅が広く、最も身近な支援の入り口である。 |
障害児訪問系 | 居宅、施設等へ訪問 | 通所が困難な重度障害児には自宅に訪問して支援を行う。 また、保育所・児童養護施設等を訪問して児童が集団生活に適応するための支援も実施する。 |
障害児入所系 | 施設へ入所 | 家庭での生活が困難な児童が施設に入所し、生活と療育支援を受ける。 児童相談所や医師等により療育の必要性が認められた児童も入所対象となる。 |
まとめ
障害児支援は、単なる「福祉サービス」ではありません。
それは、子どもたちの未来をつくる仕事であり、ご家族の安心を支える仕事でもあります。
地域にはまだ十分に支援を受けられていない子どもや家庭がたくさんあります。
だからこそ、これから事業を始めるあなたの一歩が、誰かの人生を変える力になるかもしれません。
当事務所は「児童発達支援」、「放課後等デイサービス」のサポートに注力しています。
お問い合わせはこちらです
参考文献、出典
障害児支援施策(こども家庭庁)